
はじめに
手すり・階段・鉄骨・シャッター・倉庫など、鉄でできている部分は、
住宅や建物の中でも特に劣化が進みやすい箇所です。
それにも関わらず、防錆工事は「見た目をきれいにするための塗装」として
軽く扱われてしまうことが少なくありません。
現場で実際に起きているのは、塗ったのに数年で錆が再発するというケースです。
その原因の多くは、塗料ではなく「塗る前の工程」にあります。
1.錆は「表面の汚れ」ではなく「進行する劣化」
錆を初めて見つけたとき、多くの方は
- 見た目が悪くなっただけ
- 少し削って塗れば直りそう
と感じられると思います。
しかし錆は、鉄が酸素と水分に反応して起こる腐食現象です。
一度発生すると、表面だけでなく内部へ向かって確実に進行します。
表面の色が変わった段階は、 すでに「劣化が始まっているサイン」であり、放置すれば止まることはありません。
2.「錆の上から塗る工事」が失敗しやすい理由
防錆工事の失敗例で最も多いのが、 錆を十分に落とさないまま塗装してしまうケースです。
一時的にはきれいになりますが、
- 塗膜の下で錆が進行する
- 数年で膨れや剥がれが出る
- 同じ場所から再発する
といった結果になりやすくなります。
これは、錆が残ったまま塗装すると、 塗膜が錆を閉じ込めてしまい、内部で腐食が進み続けるためです。
3.防錆工事で最も重要な「下処理」という工程
防錆工事の品質を左右するのが、 塗装前に行う下処理です。
この工程では、
- 浮いている錆
- 脆くなった鉄部
- 古い塗膜
を丁寧に除去し、 塗料がしっかり密着できる状態を作ります。
時間も手間もかかる作業ですが、 この下処理をどこまで丁寧に行うかで
防錆効果の持続年数は大きく変わります。
4. 職人が重視する「錆止め塗料」の考え方
防錆工事では、仕上げ塗料よりも先に、 錆止め塗料を使用します。
重要なのは、
- 鉄部の状態に合っているか
- 使用環境(屋外・湿気・塩害など)を考慮しているか
という点です。
高価な塗料を使えば必ず長持ちする、というわけではありません。
下処理をきちんと行い、 状態に合った錆止めを適切な膜厚で塗ること。
これが、職人が考える防錆工事の基本です。
5.まとめ|防錆工事は「早め・下処理重視」が正解
防錆工事は、 錆がひどくなってから行うほど、
- 工事範囲が広がる
- 補修が必要になる
- 費用が大きくなる
という傾向があります。
表面に錆が出始めた段階で、 下処理を重視した防錆工事を行うことが、
結果的に一番長持ちし、コストも抑えられます。
「何を塗るか」よりも、 「塗る前に何をしているか」。
これが、防錆工事で後悔しないための一番のポイントです。









