住宅を長持ちさせる外壁塗装のメンテナンス疑問について徹底解説

2023.01.10

「外壁塗装の寿命って10年くらいって聞いたことあるけど、長持ちさせることはできないのか？」と、疑問に思っている方は多くいらっしゃいます。
外壁塗装は、住宅を保護する大切な役割を持っています。
このメンテナンスを怠ると、美観を損ねるだけでなく、雨漏りや住宅の劣化に繋がり、耐久性も低下してしまいます。

しかし、定期的な外壁のメンテナンスを行うことで、住宅を長持ちさせることは可能です。
使用している塗料や外壁材によってメンテナンスする時期も異なるため、適切なメンテナンスを行うタイミングや費用など、疑問について解説していきます。

メンテナンスのタイミングはいつが最適？

結論から言えば、10年周期でメンテナンスを検討された方が良いでしょう。
外壁塗装のメンテナンスのタイミングは、「10年ごとがよい」と聞いたことがある方は多いかと思います。
それは、外壁塗装で使用される「一般的な塗料」の耐久性が10年前後となっているからです。

しかし、住宅の環境や立地によって耐久性は異なります。
例えば、直射日光が当たりやすい、湿気が多い、海が近くにある、風雨に晒されやすい立地です。
このような立地の場合は、塗料の寿命は短くなる傾向があります。
そのような立地の方は、8年ほどで専門業者に一度点検してもらった方が良いでしょう。

メンテナンスを行うべき外壁劣化のサインは？

外壁塗装を行う前に、メンテナンスが必要かどうかチェックしてみましょう。
ほとんどの外壁には、劣化症状のサインが発生します。
それらを見逃さないように、8年を過ぎたあたりから確認して、メンテナンスを検討し始めましょう。

色褪せや艶引け

最初に現れる劣化のサインです。
7〜8年ほど経過したら、日光が当たりやすい南側と当たらない北側と比較して、色褪せや艶引けがないか確認してみましょう。

チョーキング

壁の表面を触ったら、白い粉状の顔料が手につくことです。
チョーキングが起きている場合、雨や日光から外壁材を守ることができなくなっています。
なるべく早めに、専門の塗装業者に相談された方が良いでしょう。

カビやコケ

塗料には防水処理が施されていますが、寿命が近づくと防水性が低下してしまいます。
防水機能が低下すると、カビやコケが発生し、外壁材を劣化させ雨漏りが起きます。
壁にカビやコケを発見したら、すぐに外壁塗装を検討しましょう。

シーリングの劣化

外壁材が窯業系サイディングやALCの場合、目地の部分にゴム状のシーリング材を使用しています。
雨水などが内部に浸入しないようにするだけでなく、建物の揺れなどを軽減する役割もあります。
劣化すると、外壁材の間に「亀裂」や「剥がれ」といった症状が現れます。

塗装の膨れや剥がれ

塗装の膨れや剥がれを発見したら、すぐに外壁塗装を行なってください。
そのまま放置してしまうと、大幅なリフォームが必要となってしまいます。
しかし、経年劣化ではなく施工不良で起きる場合もあるため、一度、業者の方に確認した方が良いでしょう。

メンテナンスをしないとどうなるの？

10年以上メンテナンスを行わず経過した外壁は、カビやコケ、ひび割れ、色褪せなどが発生します。
これらが発生すると、美観を損ねるだけでなく外壁材にダメージを与えてしまいます。
しかし、見た目がキレイでも注意が必要です。

劣化は、見た目だけでは分からないからです。
ひどい場合には、住宅内部まで劣化が進行し、張り替えや建て替えなどの高額な住宅リフォーム費用を請求されます。
このようにならないためにも、定期的な点検調査を依頼し、メンテナンスを行う必要があります。

外壁のメンテナンス費用と内容は？

外壁にも種類があり、それぞれメンテナンスの工事内容も異なります。
一般的に使用されている外壁材の「サイディング」の寿命は、約30年です。
モルタル外壁で40年、コンクリート壁などで60年以上となっています。

寿命や劣化の程度によっては塗装や補修で対処できないため、「重ね張り」や「張り替え」といったメンテナンスを行います。
それぞれの費用相場と施工内容は下記になります。

シーリング

サイディング系の外壁には、必ず「目地」があり、一般的なシーリング材の寿命は7年前後です。
この目地は、紫外線や雨水によって劣化してしまいます。
シーリングのメンテナンスは、「増し打ち」と「打ち替え」がありますが、「増し打ち」だと耐久性が低いため、部分的にしかメンテナンスできません。
平均的な「打ち替え」費用は40万から50万円（足場代含む）となっています。

塗装

築10年前後でメンテナンスを行った場合、一般的なシリコン塗料だと費用は100万円前後です。
平均的な施工期間は、12日前後となります。
主な施工内容は、足場、高圧洗浄、下地処理、3回塗装、付帯部塗装です。

付帯部とは、ドア、雨樋や笠木、サッシ、手すりなどの外壁ではない部分です。
20年以上経過している場合や補修が必要な場合、外壁塗装で対応できないこともあります。

重ね張り（カバー工法）

既存の外壁の上から重ねてサイディング外壁を張っていく工法です。
廃材処分費や手間が少なく、費用を抑えることができるため、採用する方も多くいらっしゃいます。

足場、下地処理、防水シート、胴縁止めつけ、サイディング張りなどの工程があります。
２〜３週間ほどかかり、費用も200万円前後となります。
しかし、家の造りや外壁によっては、施行できない場合もあります。

張り替え

既存の外壁を撤去して、新しい外壁材に張り替える工法です。
劣化が激しい場合や築年数が30年ほど経過した住宅の方が行います。
外壁材を剥がすため、建物内部まで補修することができます。

張り替えを行う外壁材や広さによって金額は異なりますが、平均的に期間は1ヶ月、費用は250万円前後です。
主な工程は、足場、既存外壁の解体、下地処理、防水シート、胴縁止めつけ、サイディング張りです。

外壁を長持ちさせるには？

外壁のメンテナンス頻度を抑えるためには、いくつかコツがあります。
この３つを行うだけで、メンテナンス頻度を下げ、住宅を長持ちさせることができます。

定期的な清掃

年に１〜2回ほど、外壁を清掃してみましょう。
ホースで外壁に水をかけて、スポンジやブラシなどで優しく擦ってください。

職人でない方が、高圧洗浄や強めにブラッシングすると、塗料を剥がしてしまう可能性もあるので、適度な強さで行う必要があります。
もし、カビなどがある場合には、カビ取り剤を使用してください。

耐久性の高い塗料を選択する

高機能な塗料は、メンテナンス頻度を抑えてくれます。
一般的なシリコン塗料は10年ほどです。
しかし、「フッ素塗料」は15年、「無機塗料」なら20年以上と耐久性が高いため、メンテナンス時期を遅らせることができます。
施工の費用は高くなりますが、メンテナンスの煩わしさは無くなり、トータルコストも下がるので、予算がある方は検討してみても良いでしょう。