国内の外壁材で圧倒的なシェアのサイディング外壁ですが、定期的な外壁塗装などのメンテナンスを行なっていても、耐用年数が決まっているため、必ず寿命がやってきます。
耐用年数を過ぎた外壁材は、外壁の機能と美観を低下させてしまうため、張り替えなどの工事が必要となります。
残念ながら、耐用年数を過ぎた外壁材にどれだけ塗装をしても、すぐに劣化してしまいます。
放置してしまうと、外壁材の大幅なリフォーム工事になるだけでなく、住宅の資産価値も大きく下がってしまうので、適切なタイミングで張り替えなどの工事を行いましょう。
今回は、サイディング外壁の張り替えを検討している方のために、基礎知識をお伝えしていきます。
ぜひ、参考にして理想の住宅を実現してください。
そもそもサイディング外壁とは?
サイディング外壁は、国内の木造住宅のほとんどで使用されている外壁の一番外側で使用されるパネル状の仕上げ材のことです。
色や柄など多彩なデザインで加工もしやすいため、新築・リフォーム問わず、非常に人気があります。
また、材料費や工事費なども他の外壁材に比べて安価、短い工期で仕上げることができる特徴があります。
サイディング外壁のメンテナンス時期
サイディング外壁は、基本的に10年ごとの定期的なメンテナンスとして、外壁塗装を行う必要があります。
また、サイディング外壁の目地部分は、雨水が浸入しないようにシーリング材が使用されているので、7~8年ごとのメンテナンスが必要になります。
施工から20年以上経過している場合には、外壁材の張り替えや重ね貼りといった工事を検討し始める時期になります。
サイディング外壁の種類と特徴
大きく分けて、サイディング外壁には4種類あり、それぞれ価格や機能性など特徴が異なります。
素材 | 耐用年数 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
窯業系サイディング | セメントに繊維質を混ぜて焼き固めたもの | 20年~30年 |
・初期費用がやすい ・デザインが豊富 ・耐火性に優れている ・施工期間が短い |
・蓄熱性があるので熱をもちやすい ・定期的なメンテナンスが必要 |
金属系サイディング | ガルバリウム鋼板など | 30年~40年 |
・軽量で耐震性が高い ・断熱性に優れている ・防音性が高い |
・サビが発生する ・価格が高い ・傷がつきやすい |
木質系サイディング | 木材 | 15年~25年 |
・経年劣化が楽しめる ・断熱性が高い ・温もりのあるデザイン |
・腐食や劣化がしやすい ・価格が高い ・防火性が低い |
樹脂系サイディング | 塩化ビニル樹脂を主原料としたもの | 25年~30年 |
・耐久性が高い ・変色しにくい ・メンテナンスがほとんど必要ない |
・取り扱いが少ない ・デザインが少ない ・施工費が高額になりがち |
※立地や使用する外壁塗料、メンテナンス頻度によっても、耐用年数は異なってきます。
耐用年数が過ぎた場合のメンテナンス方法は?
サイディング外壁の耐用年数が過ぎ、劣化が進行している場合には外壁塗装ではメンテナンスできません。
基本的に、サイディング外壁にひび割れや剥がれ、反りがあった場合、重ね張り(カバー工法)や張り替えといった工事が必要となってしまいます。
放置すると、雨漏りや住宅内部の腐食を引き起こしてしまい、最悪の場合は倒壊の危険性もあります。
外壁の張り替えは、既存の外壁を撤去して全く新しいサイディング外壁に張り替える工事です。
重ね張り(カバー工法)は、既存の外壁の上から新しい外壁を張っていく工事になります。
劣化がひどい場合には、カバー工法よりも、下地や断熱材、防水シートなども補修できる「張り替え工事」がオススメです。
サイディング「張り替え工事」の施工方法と工事の流れ
施工方法
木造住宅の場合、サイディングの張り替え工事には、「通気工法」と「直貼り工法」があります。
2000年より以前に施行された外壁材は、基本的に「直貼り工法」で施行されていますが、2000年以降は「通気工法」で施行されています。
「直貼り工法」は外壁内部で湿気が溜まりやすく、結露やカビによって住宅が腐食してしまうことがありました。
このようなトラブルから、2000年以降は防水シートと外壁材の間に「胴縁」の骨を組んで通気性を高めています。
もし、2000年以前の住宅に住まれているなら、外壁内部にトラブルを抱えている可能性があるので、専門業者に点検してもらったほうがいいでしょう。
張り替え工事の流れ
サイディングの張り替え工事にかかる日数は、一般的に2週間から3週間ほどです。
しかし、家の劣化具合や天候によって、工事期間が延びることもあります。
1、足場の設置
契約が終わったら、高所でも作業ができるように足場の設置を行います。
2、養生
工事中の汚れが周りの住宅や車などに付着しないように、足場の周囲に養生シートを設置します。
3、既存サイディングの撤去・処分
既存のサイディングを撤去して処分します。
撤去や運搬する際に、大きな音がすることがあります。
4、下地や断熱材のチェック・補強
外壁材を剥がした後、外壁内部の状態を確認していきます。
状態が悪かったら、ここで補修していきます。
5、透湿防水シートの設置
透湿防水シートで壁全体を覆い、設置します。
6、サイディング外壁の張り付け
サイディングを張る前に、水切りなどを取り付けていきます。
その後、サイディング外壁を張り付けていきます。
7、シーリング処理
サイディングを張ったら、サイディング同士の隙間を埋めるためシーリングを充填していきます。
8、足場解体・片付け
仕上がりを確認したら、足場を解体して片付けします。
サイディング張り替え工事の費用相場
一般的に30坪のサイディング外壁張り替え工事の費用は、200万から300万円ほどかかります。
ここでは、一般的な窯業系サイディング外壁(30坪)張り替え費用の相場について紹介します。
悪徳業者に高額な請求をされないためにも、相場を把握しておきましょう。
ただし、サイディングの機能やデザインによっても、費用が大きく変わるので注意してください。
サイディング本体価格
4,000~8,000円/㎡
新しいサイディング外壁の費用になります。
選ぶサイディングによって費用が変わります。
費用は、約60万から120万です。
足場・養生費
700~1,000円/㎡
資格を持った職人が、作業に必要な足場を組み立てていきます。
外壁の周りに組み立てるので、どうしても外壁面積より多い㎡数になってしまいます。
養生費は、周囲が汚れないようにシートで保護する費用です。
費用は約15万から20万円ほどです。
既存サイディングの撤去・処分費用
1,000~1,500円/㎡
既存の外壁を撤去して、処分する費用になります。
外壁材の素材によって、処分費用が高額になることもあります。
費用は、約15万から22万円ほどです。
防水シート
300~500円/㎡
外壁材を張る前に、雨水などが浸入しないように下地に透湿防水シートを張ります。
費用は、約5万~7万円ほどです。
胴縁・水切り
1,200~2,000円/m
胴縁は、サイディング外壁を設置するための骨組みです。
水切りは、土台と外壁の間にある板金のことです。
どちらも、通気工法でサイディング外壁を設置するのに必要なものです。
費用は合計20万~30万円ほどです。
シーリング工事
1,000~1,500円/m
張り替えたサイディング外壁の目地の隙間を埋めて、防水性・機密性を高める工事になります。
費用は、15万~22万円ほどになります。
諸経費
全体の5%~10%
業者によって異なりますが、駐車場や運搬費、管理費、事務手数料などが諸経費になることが多いようです。
一般的に10万~20万円くらいです。
人件費・施工費
業者によって異なりますが、工事費全体の30%が一般的です。
サイディング外壁の張り替え工事は未来美創へ
サイディング外壁は、定期的なメンテナンスを行うことで、寿命を伸ばすことは可能です。
しかし、耐用年数を過ぎたサイディング外壁をそのまま設置していると、快適な生活を続けることが難しくなってしまいます。
状態によっては、部分的な張り替え工事で済む場合もあるので、専門の業者に点検してもらってください。
ただし、専門の業者を選ぶ際は必ず複数の業者に「相見積もり」をもらうことが重要です。
もし、あなたの住まいが20年以上経過し、外壁サイディングの「張り替え」や「重ね張り(カバー工法)」を検討中なら、私たち未来美創へご相談ください。
私たちは、住宅の劣化状態に合わせた工事をご提案させていただきます。
20年後も安心して住める「ベストな外壁」を実現するためにも、お気軽にお問い合わせください。